期待の新事業を、積極推進! 企画室室長 松浦寛之

ひろがるアタッチャー市場

私が担当するアタッチャーは、サンプルやDM、カードやハガキなどの自動貼り込み・封入機です。アメリカでは8割がDM用ですが、日本では製本が6割です。
営業すると「内職さんが手で貼っていたのが、機械でできるんだ」と驚かれます。個人宅での手作業だと髪の毛などが付着するリスクもあるので、まとめて1ヶ所で機械処理というのは大きなメリットです。また、精度が誤差2、3mmと言うと、「5mmでも魅力的だ」と言われたりします。手で貼ると曲がったり、人によって違ってきてしまうからです。
2本目の柱をめざす新規事業として2019年に企画室を開設して、アタッチャー事業の新規営業が始まりました。まずはイメージしてもらいたいので、サンプルをつくり、できるまでの動画をiPadで撮って、見てもらいました。当初は、アルミパウチで化粧品会社と思ったんですがハードルが高く、印刷会社や物流関係の倉庫などを当たって、一番反応がよかったのがDM会社です。
また、アタッチャーで印刷会社とのお付き合いが増えると、アタッチャー以外の製本も手伝って欲しいと言われるようになりました。「アタッチャー+製本」の仕事は、両方わかっていないとできないから、今まで現場で20年近くやってきたことが活きていると言えます。

チャレンジしがいがある!

当社は、離職率が低い。“人がいい”のだと思います。こんな言い方をしていいか分からないけれど、ハラスメント的なことは、ほぼない。結局、体を使ってきついときもある仕事なので、それを1人で抱え込んだりすると、どんどんマイナス方向に行ってしまうのを、周りがフォローします。流れ作業なので、オペレーター1人でじっと黙々というのもできるけれど、そういうことはありません。上司が意識的に声をかける風土です。
辞めないから、社歴が長く、経験がものをいう仕事というところもあり、そこは強みだと思いますね。紙に対しての慣れとか、見方、視点が大事ですから。
また、当社にはいろいろ委員会などがあります。技術革新委員会、品質向上委員会、リーダー会議、営業会議。あとは、新しい仕事や少し疑問があったら、それに関わる人を集めて、今ある情報を営業から出しつつ、現場の不安なところ、聞きたいところを出したりします。さらに仕事終了後、もし次に来たらどうすべきか、今回の何がやりづらかったか等をまとめる。年に1回の仕事だと忘れてしまうので、次に来た時のために流れはつくっています。何事もやっぱり人ですね。
それから、自分のラインだけで使っていた自作パーツが量産され、他のところでも使われています。自分で考えて形にしたものが、会社の一部としてあるというのは、やはりうれしいです。こういうものを、アタッチャーでも増やしていければと思います。新しい分野なので、つくっていくものは全部これからのものだけれど、いつかスタンダードになったらいいですね。印刷機械とも違って、製本機械やアタッチャー機には、やっている人が工夫して、いろんなところを改良したり、改善したりする余地があります。だから、結構考えれば、こういうのもできる、こういうものがあればいいなと思っている人がいっぱいいると思うので、それも形にしたいですね。
自分にとって製本は何でしょう。やっぱり「ものづくり」で、あそこのコンビニや書店に売っているものは、自分たちの手が加わっているというのは嬉しいですね。出版系の仕事をしている製本会社の、ひとつの心のよりどころかもしれません。